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2002.10.03

2日目 UEFAカップ シャルケ−FCゴメリ

観戦記

初日:チャンピオンズリーグ
   PSV-ドルトムント
2日目:UEFAカップ
   シャルケ−FCゴメリ
3日目:MSVデュイスブルク
    練習見学
4日目:ブンデスリーガ1部
ボルシアMG−ビーレフェルト
5日目:ブンデスリーガ2部
MSVデュイスブルグ−LRアーレン
最終日:ブンデスリーガ2部
1FCケルン−U・ベルリン
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 午前5時起床。辺りは暗い。ドーバー海峡を挟んで時差が存在することもあり、ドイツやオランダは日の出が遅い。その分だけ日の入りも遅いわけでこの方が便利だと思うが、人気がいないこともあって寂しさが募る。ホテルには早朝出発すると伝えてあるので入り口にカギを置いてチェックアウトをする。前日は深夜までビールを飲んでたため睡眠不足とあいまって非常に眠い。

 アイントホーフェン6:07分発の快速列車に乗る。向かうはドイツゲルゼンキルヘンHBF(中央駅)。スムーズに行けば3時間の距離である。

 こんなに早く宿を出たのには訳がある。本日観戦予定のUEFA-CUP、シャルケ04対FCゴメリの試合のチケットを入手しておらず(というより今回の旅行はすべて当日入手予定だが)、ダフ屋ルートで買わざるを得ない可能性が高いからである。
 私はダフ屋で切符を購入したことがない。事前に交渉方法などは調べたのだが実際どうなるかはやってみないとわからない。そもそもダフ屋がいるかどうかもわからない。今日、10月3日は祝日(統一記念日)ということもあり宿の確保、現地地理の把握などは早めに済ませたかった。

 デュッセルドルフでドルトムント行きの列車に乗り換えるつもりが寝過ごしてウッパータールまで連れて行かれ、引き返しの電車を乗り間違えてエッセンまで連れて行かれ、散々な目にあいながら12:00、ゲルゼンキルヘンHBF到着。しんどかった。試合開始は15:00だからあと3時間。駅はすでにシャルケサポが大量にたむろしている。出店も多数。私はそこでチームマフラー(ドイツではシャールと呼ぶ)を買い、Uバーンに乗り換えて試合会場のアレーナ・アウフ・シャルケに急ぐ。もう少しゆっくりしたいがチケットがないためやむをえない。マフラーを巻いているので駅でシャルケサポから声をかけられる。「シャルケを見るのかい?ありがとう!」と。ドイツ人は優しい。

15分程乗車すると右手に巨大なアレーナ・アウフ・シャルケが現れ、スタディオン駅に到着。大多数のシャルケサポと一緒に下車する。さて、チケットを確保できるかどうか・・・期待と心配が工作する。ホームから道路に出る階段を上るといきなり、「チケットあるよー」と小声で声をかけまくる(もちろんドイツ語)兄さんを発見!良かった。いたよ。交渉しようかと思ったがひょっとしたら当日券があるのではないかと思い、一回素通りする。ダフ屋はところどころに数人いてそれぞれ交渉している。

当日券はなかった。チケット売り場は固く閉ざされ、閑散としていた。私はダフ屋の一人に「いくら?」と聞いた。彼はスタジアム配置図を見せ、「バックスタンド二階ホーム側端、80ユーロ」と流暢な英語で答える。
 私は迷った。この試合のチケット代は1万円までを許容範囲としている。まあ許容範囲だ。手を打つか。私は悩んだ。兄さんは「いくらで欲しい?」と聞いてくる。私は「60ユーロ」と答えた。兄さんは「70ユーロ」でどうだ?と突っ込んでくる。私はこれ以上の交渉するのが面倒になり、そこで手を打った。

バックスタンド2階ならわりと安く買えたのではないかと思っていたが、定価は25ユーロ。3倍近い価格である。もっと安く買えたはず、と悔しさが募る。まあ、ダフ屋交渉は初めてだったし次回への教訓としよう。高くついたのは勉強代と思えばよい。

 チケットを手に入れるとすることもない。試合開始までは2時間あるが早めに入場する。入場時のチェックでリュックの中を全部空けさせられて調べられる。私が外国人だからということもあるだろうが、形式的なチェックに終始するJリーグとは比べ物にならない。

 席がバックスタンドなのでアレーナを半周回って入場。階段をえっちらおっちら上り、建築機材が散乱している入り口から中に入ると、フィールドが目に入ってきた。収容人数60000人の全天候型スタジアム。これを見たいが為に来たようなものだ。当然サッカー専用。眼下がそのままピッチで非常に見やすい。

席は端ではあったがビニールレーザーの手すりつきの立派なもので、ひょとしてVIP席かと思わせるものであった。これで日本円で3000円相当なのだからダフ屋で買ってもそれなりの金額で買えるわけだ。

 売店でビールを買い、試合開始時間が近づく。いつの間にか席がうまり、見た目ほぼ満席になる。そして選手紹介。欧州恒例のスタジアムDJが選手の名を呼び、観客が呼び返す。場を盛り上がりはじめ選手入場。ゴール裏が人文字を作り、選手を迎える。ドイツではビッグフラッグより板で人文字のほうが多い。こちらのほうが綺麗だと思う。

 試合開始。内容はシャルケの攻撃が一方的でゴメリは防戦に回らざるを得なかった。10分、ウィルモッツが早くも先制点を奪う。ゴメリはボールを奪い、フォワードにめがけてロングボールを出すが、シャルケのディフェンスに難なくカットされる。もっともシャルケも敵ゴールまでは近づけるがディフェンスの人数も多く、なかなか得点できない。少しいらつき始めたところで前半終了。

 後半は様子が一変する。ゴメリはフォーメーションを変え、前線の人数を増やす。負けているのだから当然だ。後半開始しばらくはシャルケ陣内でボールが回っていたが、ゴメリの集中力が途切れ62分、67分、72分と十分間で3失点を喫すとゴメリの選手の落胆振りがはっきりと現れた。スタジアムDJが追い討ちをかける。
  DJ:「シャルケ04ーーーーー!!」
  観客「フィアー!!」
  DJ:「ゴメーリ?」
  観客「ヌォー!」
  DJ「聞こえないぞー・・シャルケー!!
  観客「フィア!!
  DJ「ゴメリ?」
  観客「ブー!!

 スタンドは歌う。日本でも一般的な、サッカー定番とも言える歌を延々と歌う。歌はドームの屋根に反射され、大音響となる。ゴメリはその中で必死にボールを奪おうとする。その姿を子供扱いするようにシャルケはボールをまわす。それはサッカーの名を借りたリンチに近かった。

 試合終了。笛がなると同時にゴメリの選手は全員ヘタリこんだ。シャルケの選手は彼らの背中をたたき、ユニフォーム交換を申し出る。4−0という点差以上に差の出たゲームだった。点差が実力差以上につかなかったのは、前節、シャルケが勝っているため、勝ちが見えたところで流し始めたからだろう。その意味では緊張感のあった試合ではなかった。

 試合が終わりスタジアムを後にする。いつの間にか雨が降り始めていた。私はスタジアムショップでグッズを買い込み駅に戻った。電車はシャルケサポで満員であったがなんとか乗れた。当初の予定ではこの後ハンブルグに向かい、明日のザンクトパウリ戦に備えるつもりであったが、かなり疲れてきているため、近郊のデュイスブルグに泊まる。駅でユースホステルに電話をし、予約を確保する。明日はブンデスリーガ2部、MSVデュイスブルグの練習見学に行く予定である。(続く)

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