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9日目:ヘタフェ対レバンテ

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11月11日 
成田-モスクワ-マドリード

11月12日
レガネス 対 ヌマンシア

11月13日
ブラガ 対 ボアビスタ

11月14日
セルタ・ビーゴ 対 アヤックス

11月15日
ビーゴからアベイロへ

11月16日
ベンフィカ 対 モルデ

11月17日
ジルビセンテ 対
ベネレンセス

11月18日
スーペルリーガ2部

11月19日 第一試合
ヘタフェ 対 レバンテ

11月19日第二試合
アトレティコ・マドリード 対
 ビジャレアル
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 夜行列車の中では完全に熟睡していた。さすがに疲れてきているのが自分でもわかる。列車に乗り込んですぐに寝て、気がついたら車掌に起こされた。もうすぐ終点マドリードのチャマルチン駅だ。


 マドリードは今日も快晴で雨が降る気配もなし。朝食後、近郊電車でアトーチャ駅に移動する。スペインの朝は遅い。日曜朝のマドリードは疲れた旅人しかいない。アトーチャ駅で乗り換えて、マドリードの衛星都市ヘタフェ(Getafe)に行く。ヘタフェは初日に来たレガネスと同じような大学都市で、日本で言えば国立市のような感じである。電車に乗って15分、ヘタフェ駅に到着、スタジアムは一つ手前の駅だと言われてひとつ戻る。毎度の事ながら2部チームのスタジアムは位置を把握するのが難しい。


 まだ朝の10時だが、キックオフまで2時間しかない。駅の周囲はヘタフェサポとレバンテサポがたくさん歩いているので彼らについていけばいい。試合開催日なのでバル(Bar)も所々に空いている。試合開始までスタジアム近くの飲み屋で一杯引っ掛けられる習慣があるのは本当に羨ましい。でも今は日曜の朝であるけれど。


 ヘタフェのホーム、コリセウム・アルフォンソ・ヘレスは駅から徒歩10分程度の近い位置にあった。スタジアムの近くは屋台が3台ほど出ているのでソコソコ活気はある。私は今日の夜、マドリードを出て帰国するので細々とお土産を買った。マフラー、帽子、ピンズ。レプリカユニフォームがほしかったのだが売っていない。前回のレガネスもそうだったのだが、なんで利益率の高いユニフォームを売らないんだろうと思う。レプリカを着て応援するようなコアサポーターは、ソシオ会員の受付のときに買ってしまうから商売にならないのかもしれない。


 チケットを買って中に入る。「コリセウム」と言う名前からコロッセオ→円筒競技場→つまり陸上競技場を予想していたのだが、れっきとしたサッカー専用競技場であった。スタジアムは新しくてキレイだけどスタンドの傾斜は緩く、最前列とピッチの間には堀があるので見晴らしは良くない。三ツ沢や大宮のほうがずっと見やすい。観客はおじいさんが多い。スタンドの後段にカップルといった感じで日本やドイツなどでよく見るゴール裏の若者達というのはいない。みんなヒマワリの種をほおばっている。どうでもいいけれど、あれって美味しいのだろうか。





 試合が始まる。両チームともハードマーキングの速攻・ラッシュで見ていて面白い。が、詰めが甘いので得点が奪えない。スペインサッカーの特徴として審判があまりファールを取らないというのはある。ポルトガルでもそうだったけれど、これが結果的にスピーディな試合展開となっている。自分のゴールから相手ゴールまでの移動時間が短いので、2部とは言えレベルは高い。


 試合をみていて「ああ、なるほど」と気がつくことがある。パスを出した後の次の動作への備えというものがキチンとできている。例えばディフェンダーがパスをカットする。そのボールはボランチにわたるわけだが、ディフェンスはパスを出した瞬間に前に走る。大抵はこれはオトリで実際はロングキックなどで前線にはこばれるわけだがこのオトリの動作(フリーランニングというほどのものではない。あくまでもマークの注意を引くためのダミー動作)が功を奏するため、敵の守備陣もワンテンポ遅れるという効果がでてきている。





 ただ、点は入らない。バーを叩くなど惜しいところまで行くのだがそこで終わってしまう。間延びした雰囲気がスタジアムに漂う。こうなってくるとつらい。サッカー以外で考えることが多くなり、自分はなんでここにいるのだろう、とか考え出してしまう。これがひどくなると自分がこの世に存在する意味とかとんでもない方向に行ってしまうので非常に危険なのだが、幸いそこまで行かず、試合は終了した。0-0のスコアレスドロー。この欧州観戦旅行で3試合目のスコアレスドローである。


 スタジアムを後にする。なんか、こう、力が抜けるような感じがする。マドリードの日差しは強く、疲れた体にムチを打つ。これからもう一試合見て、夜の飛行機でモスクワに行って、さらにモスクワを夜出て日本に帰って、その週末は夜行バスで高岡に地域リーグ決勝大会・・・・と考えると虚しさを覚える。滅多に海外に出られない既婚の人などから見れば贅沢極まりないと思うけれど、遊び疲れの極地、という感じがしないでもない。近郊電車でマドリード市内に戻る。食事を取ってゆっくりして地下鉄に乗り込む。行き先はエスタディオ・ビセンテ・カルデロン。リーガエスパニョーラ・プリメーラデビシオン。世界最高峰のリーグ。アトレティコ・マドリー対ビジャレアルが今回の旅の締めである。

(続く→)
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