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第3節 全南ドラゴンズ 対 川崎フロンターレ


(光陽:大韓民国)

第1日:韓国へ

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第1節 アレマ・マラン-川崎フロンターレ

第2節 川崎フロンターレ-バンコク・ユニバーシティ

第3節 全南ドラゴンズ-川崎フロンターレ
第1日:韓国へ
第1日:全南ドラゴンズ-川崎フロンターレ
第一日:光陽の夜
最終日:飛行機に乗り遅れる

第4節 川崎フロンターレ-全南ドラゴンズ

第5節 川崎フロンターレ-アレマ・マラン

第6節 バンコク・ユニバーシティ-川崎フロンターレ

準々決勝 セパハン-川崎フロンターレ

準々決勝 川崎フロンターレ-セパハン

ACL総括

 4月11日午前5時。すっかり明るくなった頃を見計らって家を出る。戸塚駅から横浜乗り継ぎで京浜急行羽田空港へ。早い時刻だけど苦ではない。今日は楽しい韓国遠征である。羽田から出国したのは初めてのことでウキウキモードに入ってしまう。出国と言っても関西空港経由なのだが成田を経由しないのは非常に魅力的である。関空周りというと時間のロスのように思えるかもしれないが、成田まで2時間半かかることを思えばこちらのほうがずっと近い。


 私が乗る関空行きは19番搭乗口から出発する。普通、大阪行きの飛行機はターミナル中央口付近のゲートになることが多いが、私が乗るJL173便は何故か一番端っこの19番ゲートでしかも機材はボーイング737である。延々とターミナルを歩かされて小さな飛行機に乗り込むと韓国にいくよりも隠岐あたりに逃避行に行くような気分になる。


 仕事が立て続けに混んでいたので前夜は殆ど寝ていない。せっかく窓際に座ったのに寝てしまう。離陸後すぐ着陸で、関西空港に来た実感がない。関西空港のターミナルは横一直線に伸びており、飛行機はその一番端っこの搭乗口に横付けした。出国審査場までまた歩かねばならぬ。今日はリュックサック一つだったから良いようなモノの、大きなバックパックを背負っていたら泣きたくなるだろう。


 ソウル仁川空港行きの便が出発するまであと1時間30分ほどある。その間、空港内のローソンで横浜FC対清水戦のチケットを買ったりして時間を潰す。時間が来て出国審査をすますとやっと海外に行く雰囲気ができてきた。私が乗り込むJL961便は小さなB767で「ちょっとソウルまでいきましょか」と言った感じがする。


 なにしろ2時間しかかからないので、いつも行くヨーロッパとは違う気楽さがある。ただ、今日行う試合は、いつも行くヨーロッパで見る試合とは意味合いが全く違う。6戦あるグループリーグのなかで最も重要な試合で、ここで勝つか負けるかはそのまま勝ち抜けるかどうかに直結する。


 11時30分、定刻に仁川空港着。空港で両替をしてそのままバスターミナルに向かう。仁川空港から全州行きのバスが出ているはずで、観光ガイドの紹介によれば3時間30分で到着するとのことだ。この程度で着くなら是非、本場ビビンパブ(日本で言うビビンバ)を食べたい。ついでに全州ワールドカップスタジアムも見学できればよいが、それは2の次。チケット売り場で全州行き(W32000=約5000円)を買い、バスを探す。英語の通じない係員にイライラを隠せなかったが、なんとか2つとなりのプラットホームに停車しているバスを見つけ、乗り込んだ。バスはすぐに発車した。


 少し気になったので車掌に到着時刻を聞く。車掌は困った顔をして首を横に振る。大体でかまわないと聞くと、約5時間との答え。予想を超える所用時間に驚く。全州とこれから行く光陽の間に直通バスはなく、KTXで乗り換えなければならない。これは試合に間に合わないかもしれない。困ったなあ。バスの中で日程を組み直す。


 試合には絶対に間に合わなくてはいけない。私は全州に行くのをあきらめ、金浦空港で降りた。試合会場の光陽(クァンヤン)の近くに麗水(ヨス)という町があり、金浦から1~2時間に一本の割合で飛行機が飛んでいる。観光はあきらめ、光陽を目指すことにした。

 金浦空港のアシアナ航空カウンターで残念ながら次の麗水行きは満席で、次は2時間後とのこと。6万6千ウォン(約9千円)のチケットだけ買って空港内をブラブラする。飛行機代はともかく全州までのバス代を無駄にしたことが非常に悔やまれる。
 待ち時間は2時間あるが、金浦空港には無料のインターネットコーナーがあり、自由に使える。さすがインターネット先進国でこういうサービスは日本には望むべくもない。鉄道など基礎的インフラはまだ日本の方が一日の長があるが、携帯やネットなど新サービスはもう比べようがないほど韓国の方が進んでいる。そのうち中国やインドにも抜かれるのだろう。
 

 出発時刻が近づいてきたので搭乗口に行くと、後ろから声をかけられた。06年、ドイツワールドカップの時、デュッセルドルフ駅の構内で会ったフロンターレサポーターで、奇遇な場所で出会うことをお互いに驚く。話を聞くと、もう個人観戦のサポーター達も三々五々光陽に向かっているらしい。14時20分、アシアナ航空のB737型機は光陽に向かって離陸する。バスで行けば6時間かかるところを40分んでいくわけだからさすがに飛行機は速い。外の景色を見る間もなく麗水空港に着陸する。麗水は韓半島の南端に近く、2012年万博に指定されている町でもある。私が一つ前の飛行機に乗れなかったのは万博関係者が大勢を占めていたからだろう。
麗水空港から順天市行きのバスに乗る。観光をした後、市バスで光陽市に行くと試合開始時刻が迫った来た。ホテルを確保したかったが仕方がない。バスターミナルから直接タクシーで光陽専用競技場に向かう。夕暮れが迫っている。タクシーはポスコ製鉄所が立ち並ぶ施設群を通り、運河を渡る。風景は鹿島に似ている。鹿島神宮駅からタクシーで鹿島港を通り、住友金属の工場群を抜けると抜けるとスタジアムに着くと言えばわかりやすいだろうか。


 人気がだんだん寂しくなってくる。すれ違う車は工場から帰る車で、それは沢山すれ違ったけれど、スタジアムに向かう車は殆どいない。サッカーの試合を見ようとする人はそんなにいないのだろうか。敵のホームとはいえ試合は満員の中でやりたい。人の気配が少なくなるのと入れ替わるように前方から照明の光が見ええてきて、光陽専用球技場に着いた。
 
(続く)
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