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準々決勝第一節 セパハン 対 川崎フロンターレ
(イスファハン:フーラッド・シャースタジアム)
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初日:出発まで
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(→前回からの続き)
休暇は取れた。あとは航空券である。
これは非常に難しかった。私はネットと電話の双方でテヘラン行きの飛行機を探しにかかった。テヘランへはJALもANAも飛んでいないので外国系の会社になる。直行はイラン航空で、これはキャンセル待ちすらダメ。同一航空会社で日本からテヘランに飛んでいるのはアエロフロートとエミレーツ、そしてカタール航空。あとはヨーロッパ乗り継ぎ。エミレーツとカタールは関西・名古屋経由で不便というのと、この時期では値段が高いのがネック。一応エミレーツを19万円で仮予約、アエロフロートにキャンセル待ちを入れた。 これでまずテヘランに行けることは確実となった。
私はもう少し安く行きたかった。マレーシアのクアラルンプールまでJALで行き、クアラルンプールからテヘランまでイラン航空が出ている。成田-クアラルンプールはJAL悟空で6万8千円、クアラルンプールーテヘランはイラン航空東京支店で購入すると9万9千円。合計16万7千円。これなら少し安い。エミレーツはキャンセル、こちらに変更。JAL悟空は予約だけ入れる。念のためイラン航空成田-テヘランの空席状況を聞くと、非常に混雑しているが、クアラルンプール発のチケットを購入する条件ならキャンセル待ちができるという。これも念のために押さえておく。クアラルンプール-テヘランチケットの購入期限は8月20日。学生が夏休み中のこの時期に2社乗り継ぎで17万円弱は、まあ安い。
しかし、出発まで間があるのでまだ探してみる。格安航空会社をWEB上で片っ端から探してみると、ドバイの隣都市であるシャルジャという町(正確には首長国)を母空港として、アラビア航空(http://www.airarabia.com/)というエアラインがあり、そこがシャルジャーテヘラン間を往復US110$で出しているのがわかった。成田-ドバイ間は結構便があり、中国国際航空が北京経由で税・保険料・燃料代込み13万8千円というのががあった。アラビア航空と併せて約15万円。だいぶ安くなってきた。当然こちらも押さえる。仕方がないけどね。
想定した予算に近づいたので航空空会社探しはこれで終了。イラン航空は東京-テヘラン間のキャンセル待ちをギリギリまで引っ張る。中国国際航空とアラビア航空はWEB上でクレジットカード決済を行い、購入を確定。さあ後は行くだけである。こういう元気さがあるから会社に体調不良を訴えても誰も本気にしないのだろうなあ、とあらためて感じてしまう。
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8月13日。仕事中の私に携帯がなった。発信者はイラン航空東京支店である。期待に胸ふくらませながら電話をとる。
「こちらはイラン航空ですが、成田ーテヘランのキャンセル待ちが取れました。」
キター━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
「ちなみにおいくら?」
「9万5千円です。」
「安 !!」
「加えて入国税と航空保険料と成田空港使用料が7500円かかりますので全部で10万2千500円です」
「燃料サーチャージ代は?」
「当社では頂いておりません」
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ビバ!!産油国!!
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私は狂喜に悶えた。世の中真面目に生きていればいいこともあるもんだ。真面目に生きているのかは自分でもよくわからないが、そういうことにしておこう。こんない安くていいのかと思う。付帯費用が安いのは外国人観光客を呼びたいのだろうなと想像する。ひょっとしたら人間の盾にでもするのかもしれないと考える。でもこれだけ頑張っているのなら私はイランを許す。米軍機の一機ぐらいなら撃ち落としても許すかもしれない。
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ラッキーはまだ続いた。この日、米国でサブプライム問題に端を発した大規模な円高ドル安が発生。一気に一ドル112円台まで下がった。速攻で金券ショップに行き、1ドル=115円で1000米ドル購入。イランに行くのにこんなに使わないだろうけれど、クレジットカードが使えない国なので多めに両替しておく。当初円安を想定して1ドル=127円で旅行レートを設定したので1万円以上得をしたことになる。中国国際航空は5千円払ってキャンセル。アラビア航空はキャンセル不可なので予約放棄となるがたいしたことではなかった。どちらかというと、イラン航空の機材が機齢30年を越えたボーイング747SPというのが気がかりだったが、まあ大丈夫だろう。逆に引退間近の機種に乗れるのはラッキーかもしれない。そう考えることにする。
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9月17日月曜日、3連休最終日。午前中会社で残務処理をしたのち、成田空港に向かう。事前にイラン航空から連絡があり、14時55分発が18時になるとのこと。実際に成田に着くと20時発に変わっていた。さすが機齢30年の747SP。これがJALなら怒るが安く買えたので問題ないことにする。ミールクーポンをもらったので2階の寿司屋でモグモグと夕食をとっている内に出発の準備が近づいてきた。出国手続きをして搭乗口に向かうと、これがチョロQみたいな寸づまりのジャンボがゲートに横たわっている。日本発着便ではイラン航空しか使用していないショートサイズのジャンボで、全長を小型化する変わりに航続距離を伸ばしたという変わり種の機種である。機内に入るとさすがに時代を感じさせる。座席はくたびれ感が出ているしパーソナルモニタなどのぞむべくもない。でも私は特に問題していない。あと12時間後はいよいよイラン入国である。
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(続く) |
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