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準々決勝第一節 セパハン 対 川崎フロンターレ


(イスファハン:フーラッド・シャースタジアム)

2日目:イスファンへ

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第1節 アレマ・マラン-川崎フロンターレ

第2節 川崎フロンターレ-バンコク・ユニバーシティ

第3節 全南ドラゴンズ-川崎フロンターレ

第4節 川崎フロンターレ-全南ドラゴンズ

第5節 川崎フロンターレ-アレマ・マラン

第6節 バンコク・ユニバーシティ-川崎フロンターレ

準々決勝 セパハン-川崎フロンターレ
はじめに:イランという国
初日:出発まで
2日目:イスファハンへ
3日目:試合開始前までのこと(前編)
3日目:試合開始前までのこと(後編)
3日目:セパハン-川崎フロンターレ
4日目:イラン・プレミアリーグ
5日目:ペルセポリス
6日目、最後の夜
7日目:さようならイラン

準々決勝 川崎フロンターレ-セパハン

ACL総括
(→前回からの続き)


 出発が大幅に遅れたので到着も大幅に遅れた。テヘラン空港には未明の午前3時半に着陸、入国審査を抜けると空は白み始めた。両替をするため空港内の銀行で200ドルを差し出すと、188万5千リヤルと非常に景気のいい札束が返ってきた。2万リヤル札が94枚もあるのでお金持ちになった気分になる。イランは順調にインフレが進んでおり、1ドルが9300リヤル相当になっている。日本円に換算すると、1万リヤル=120円と考えればよい。おおざっぱに言ってイランリヤルを100で割って1.2倍すれば日本の円になるということだ。



 タクシーブースで予約してあるホテルまで手配してもらう。価格は5万リヤル(600円)。もう朝だがイランの大抵のホテルはチェックアウトが午後2時と遅いのでシャワーと仮眠を取るつもりだったのだが、到着してみれば案の定キャンセルされておりがっかりする。仕方がないのでロビーでぽつんとレストランが開くのを待つ。現在、イランではラマダン(断食月)で、ちゃんと朝ご飯を食べないと最悪夜まで食事にありつけないことになる。それはキツイのでここで取る。7時にレストランが悪というので待っていたのだが、実際にオープンしたのは午前8時だった。さすがはイラン。先が思いやられる。


 ラマダンについては一応出発前に対策を立ててきた。まず朝食は遅い時間にバイキング形式でゆっくりと長時間かけて腹一杯に食べる。胃が消化ながらなお食べることで夕方まで持たせるつもりだった。1時間以上かけて間食。料金は4万リヤル(約500円)。ハムやらソーセージやら一杯モグモグと食べていると他の客や従業員がじろじろ見てくる。「ジャーポン、ジャーポン」とニコニコ話しかけてくる。悪気はないのだろうが少しうざったい。この人見知りをしないイラン人の性格はその後、どこでもついて回ってきた。


食事を取ると他にやることもない。私はアザディスタジアムに向かった。イラン代表の聖地、10万人収容のスタジアムは是非見たかった。旧アメリカ大使館横に地下鉄の入口があり、北側に向かう2号線終点まで乗る。運賃は2000リヤル(24円)。そこからタクシーに乗り15分ほど走ると右側に巨大なスタジアムが見えた。検問が2箇所あったがタクシーの運ちゃんがうまいことを言って通してくれた。これが徒歩で行ったら門前払いを食っていたかもしれない。


 アジアのスタジアムはたいていそうなのだが、入口が開きっぱなしで中のピッチにかんたんに入れるようになっている。このアザディスタジアムもそうで、入ろうと思えばそのままグラウンドに降りれられそうだが、不法侵入の疑いをかけられると非常に面倒くさいことになるのでちゃんと事務室に行って挨拶する。係員は状況がよくわからないらしく、私をマネージャールームに連れて行ってくれた。いかにも王族関係のような、恰幅のいいマネージャーは実に愛想良く私を招き入れてくれ、水を差しだしてくれた。、私は「日本から来たサッカーファンだ。グラウンドを見せてくれないか」とお願いをしてみた。彼はこれがまた愛想良く了解してくれた。私は試合のない日にもスタジアムに出かけ、ピッチの写真を撮っているけれど、世界中こういうお願いをして断られたことがない。日本の競技場でこういうこういうお願いをすると、どこの社のものかとか、事前に話はあるのか、とかめんどくさくなることはしばしばある。


 アザディスタジアムは予想外に機齢だった。もちろん古いスタジアムなので壊れていたり汚い部分もあるが、男子専用、女子立ち入り禁止のスタジアムにしては結構機齢に手入れされている。ちょうど掃除の時間らしく、係員があちこちを吐いている。みんな快く私に挨拶する。訝しがる人はだれもいなかった。なかには「コンニチハ」と日本語で挨拶する人もいた。みんな親切だった。あちこち写真を撮ったけれど誰も文句は言わなかった。

アザディスタジアム
 アザディスタジアムを見学後、最初の職員に挨拶する。この職員マネージャーから指示を受け取ったらしく、一緒に来いと私を駐車場連れて行った。私は状況がよくわからなかったが、どうも客人を送るように言われたらしい。



「どこまで行くんだ?ホテルか?空港か?」



「・・・・・南部バスターミナルまで・・・」


いろいろな国のスタジアムで職員に好意的に接してもらったけれど、さすがにここまではなかった。そういえばインドネシアでもペルシク・クディリのマネージャーが夕食をごちそうしてくれたっけ。すごいなあ。こういう度量があることを私はうらやましく思うし、同時に私自身の普段の器量の狭さを恥ずかしく思う。


 30分ほど走って南部ターミナルに到着する。ここからイスフハァンまでバスで行く。イスファハンはテヘランの南400キロほどの所にあり、飛行機なら1間かかる。ちょうど横浜から京都に相当するが、あいにく飛行機は満席だった。窓口でイスファハンまでのチケットを買う。エアコン付きのの豪華版に下のだが、代金は4万リヤル(約500円)。青春ドリームバスも真っ青の値段である。イスファハンまでのバスは頻発しており、すぐに発車した。


 産油国だけ合って路面はよい。7時間は長いように思われるが、荒野の荒れ地を一直線に進むので快適ではある。少なくとも東名ハイウェイバスよりはずっと快適だ。バスはノンストップで走り、予定より1時間早くイスファン着。バスターミナルからホテルに向かう。予約はしていなかったが幸い部屋は取れた。4つ星で100ドル。イランの国内物価から比べると法外に高いが西欧の4つ星に比べると安いと言える。もっと安いところに泊まりまりたかったが、今朝イランに着いたばかりなのでゆっくりしたかった。レストランで夕食を取っている内に適当に日が過ぎていった。明日は試合である。



(続く)

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