わかの観戦日記トップページに戻る


準々決勝第一節 セパハン 対 川崎フロンターレ


(イスファハン:フーラッド・シャースタジアム)

3日目:試合開始前までのこと(前編)

ACL参戦記トップページ

第1節 アレマ・マラン-川崎フロンターレ

第2節 川崎フロンターレ-バンコク・ユニバーシティ

第3節 全南ドラゴンズ-川崎フロンターレ

第4節 川崎フロンターレ-全南ドラゴンズ

第5節 川崎フロンターレ-アレマ・マラン

第6節 バンコク・ユニバーシティ-川崎フロンターレ

準々決勝 セパハン-川崎フロンターレ
はじめに:イランという国
初日:出発まで
2日目:イスファハンへ
3日目:試合開始前までのこと(前編)
3日目:試合開始前までのこと(後編)
3日目:セパハン-川崎フロンターレ
4日目:イラン・プレミアリーグ
5日目:ペルセポリス
6日目、最後の夜
7日目:さようならイラン

準々決勝 川崎フロンターレ-セパハン

ACL総括
(→前回からの続き)

 午前7時起床。海外に出るとどんなに疲れていても、朝早く目覚める。西の方に行くと日本より時刻が遅れているので時差ぼけの一種とも言えるが、時間が有効に使えるのは良いことだ。ちなみに現時刻は日本時間で言うと昼の12時30分である。



 私が泊まっているホテルはイスファハンの名所、スィー・オー橋の近くにある。イスファハンが世界に名を知らしめる理由の一つにもなった橋で、33個のアーチがかかっている。一目見て美しい、心からそう思う。土獏にまみれながら陸路を走破してきた私にはまさにオアシスで、ゆっくりと流れるザーヤンデ川との対比があまりにも美しい。残念ながら多摩川と丸子橋では勝負にならない。橋は現役で今でも市民の生活に使われている。橋の下にはチャーイ・ハーネ(茶店)があるのだが、ラマダンのため閉店中なのが口惜しい。もっともこのチャーイ・ハーネには昨夜、行った。夜風と川の流れが気持ちよかった。日本で言えば京都の渡月橋か、それとも貴船の川床茶屋か。この瞬間に限ってはサッカーの影はなかった。もっとも川崎サポーターはアチコチに見かけており、今現在も川崎の選手が橋を背に写真を撮り合ってはいるのだけれども。


イスファハンは元々セパハンと呼ばれる軍隊の駐屯地だった。日本の歴史で言うと安土桃山時代の頃、時の王様がここに遷都をし、非常に緻密な都市計画の元に町作りをした。橋も宮殿も高い芸術性を求め、このイスファハンに来たヨーロッパの商人達はこの町を絶賛し、「イスファハンは世界の半分」と言わしめたそうである。そうだろうなあと思う。西欧に行って悪趣味な宮殿は沢山見たけれど、イスファハンの橋一つとってもそれらより上だと思う。宮殿にしても素直に美しいと感じる。そう思わせる町はなかなかない。美しいと思わせるのは建物に 「凜」 があるからだろう。日本のスタジアムが醜悪なのはデザインに「凜」がなく、「○○をモチーフに設計」しましたと、建物がデザインに媚びを売っているからだ。そういう思想ひとつとってもイランに負けている。その差が口惜しい。


 
 宮殿と橋を見たけれど、時計はまだ12時をすぎたところである。予定ではもっとモスクや橋を巡るる予定であったが、試合の方が気になり始めてきた。試合は午後6時30分開始であるが、早くスタジアムを見たい。スタジアムはイスファハンではなく、南東に25キロ行った、フーラッドシャーという町にあるらしい。セパハン・イスファハンには5万人収容のスタジアムがあるが、現在は改築中とのこと。試合会場は本来はゾバハンというイラン・プレミアリーグのライバルチームのスタジアムを間借りしているのだそうだ。それはかまわないが、どうやっていくのかわからないし、行ったもののちゃんと帰れるかもわからない。


 私は町の観光案内所に行ったのだが、これがまた路地裏のとんでもない奥にあって、完全に個人宅であった。案内所の主人は大勢の日本人がイスファハンを訪れているのに驚いたようで、今日の対戦を本当に歓迎してくれた。主人曰く、タクシーは片道4万5千リヤル(約550円)。往復で10万リヤルなら行けるだろう、とのこと。私は主人に交渉の仲介を依頼した。イランのタクシーはメーターがなく、完全交渉制なので、観光案内所が間に入ってくれるのは心強い。タクシーはすぐに来た。



 私はお礼を言ってタクシーに乗り込む。南東に25キロというと結構走ることになる。これで片道650円というのは凄いというかなんというか、値段の妥当性がわからなくなる。30分ほど走るとスポーツ公園に入り、目の前に照明灯が見えてきた。あたりはいかにも造成中と言った感じでスタジアム以外はなにもない。タクシーはスタジアム前の駐車場に直接乗り入れた。周りはセパハンサポーターがグッズを売っている。私は「一丁やったるかい!」と意気揚々でタクシーを降りた。


 その直後、私は警官に囲まれた。何人もの迷彩服が行く手をふさぐ。タクシーはすぐに発車してしまい、、後ろにも警官が立っており逃げ場が無くなった。肩から下げた自動小銃が私を威圧する。背筋が寒くなった。
 


(続く)

SEO [PR] ]Ex ₦΍ IsbN f ^T[o[ SEO