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準々決勝第一節 セパハン 対 川崎フロンターレ
(イスファハン:フーラッド・シャースタジアム)
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3日目:セパハン-川崎フロンターレ
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(→前回からの続き)
メインスタンド中央にはフカフカのソファが敷かれ、川崎フロンターレの武田社長が腰をかける。隔離柵を鋏んで待遇がえらく違うが気にしない。午後6時30分、FIFA-ANTHEMが流れて選手入場。
この試合でフロンターレに要求することは最低限引き分けること。試合の評価で言うのならば以下のとおりだろう。
・点差にかかわらず勝利:100点
・点を取っての引き分け: 80点
・スコアレスドロー: 60点
・点を取っての1点差負け:40点
・無得点で1点差負け: 20点
・無得点で2点最上負け 0点
まずは点を取ること、アウェイは引き分けで上等という考えがあるが、それは得点して負けないという前提の元に成り立つと思う。アウェイゴール2倍ルールがある以上、アウェイで点を取れないのは非常に痛い。フロンターレの攻撃システムはJ1のチームでも機能している方なので、そこは希代だ着ると思っていた。我那覇の不調が頭の痛いところだが、まあなんとかなるだろう。というか、なんとかしてほしい。
本音は・・・・・・攻撃システムなんて機能しなくていいからとにかく点を取ってほしかった。PKでもオウンゴールでも誤審でもなんでもいいからアウェイでは点を取ってほしい。そう祈った。私のすぐ目の前には関塚監督がいる。サポーターのリーダーから「最初は監督の声が聞こえるように見守っていく」と指示があり、それに従う。後で聞いた話だが、この判断は正解だったようだ。
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セパハンというチームがどの位やれるのか私は全くわからなかった。イランリーグそれ自体に知識がない。事前に知識があってもどうにかなるものではないが、不安は増す。
キックオフの笛が鳴る。意外に、と言っては失礼だが川崎がボールを支配する。中盤からペナルティエリアまでの動きは川崎の勝ちで、このペースなら結構早い時間帯に点を取るのではないかと思われた。なによりもセパハンゴール前で得たフリーキックが数多くあった。これを決めればかなり楽になるはずだった。しかし・・・・・
根本的にゴールが遠い。Jリーグからずっと続く困った展開だが、ペナルティエリアの直前で取られてしまう。基本的に最後のパスが全く合わない。特にセンターとサイドでのボールの受け渡しでカットされてしまう。マギヌンと森がイライラしている。こうなるとジュニーニョは一人でボールを持つ展開になる。そしてこれも取られてしまう。・・・・・・
逆にセパハンのカウンターは鋭かった。フォワードは背は低いがスピードのある選手で、ボールを持地ながら駆け上がっていく。川崎のディフェンスはサイドが相変わらずザルで、しかもピッチ幅が世界標準よりも広いものだからかんたんに上がってしまう。ペナルティエリア内の最後の競り合いで寺田が競り勝っているから良いようなものの、相当危なっかしい展開であった。
川崎は何度もある決定機をことごとく潰しながら前半終了。はあ。
ハーフタイムにみんなで話し合う。話し合ったからって試合の展開が変わるわけではないのだが、まあとりあえず悲観する状況ではない、という意思統一ができただけでも良かったのではないかと思う。
後半開始。最初は攻める姿勢を見せつつも、だんだんラインが引いてくるのにイラつく。攻めなきゃダメだ。何やってんだよもう。なんでジュニーニョは森にパスしないんだ!!私は怒鳴り続けたが周りのサポーターはそろそろ引き分け上等の雰囲気になってきた。まずいなあ・・・・。アウェイゴール2倍というのはアウェイで点を取って初めて価値が出る。もちろんスコアレスドローでも悲観する結果ではないが、第二戦もスコアレスドローになる可能性は少なく、この結果だとホームの試合では勝つしかない。そうなると第二戦ではセパハンの方に戦術の選択肢が増える。セパハンは第二戦で点を取ればいいだけだ。今の川崎に一試合2得点を取る力はない。だから、最低でも点を取って引き分けなければならないんだ。それなのに・・・・・
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私の祈りもむなしくスコアレスドローで試合は終了した。サポーターはみんな前向きにとらえている。この点で私の気持ちと乖離しているのが辛い。評価できるスコアとしては最低の結果、というのが私の見方だ。ううううんん・・・・・。
まあ終わってしまったものは仕方がない。第二戦では必ず勝とう。そう気持ちを切り替え、選手を出迎えた。ゲームは終わった。
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試合が終わったので横断幕などの撤収をし、セパハンサポーターが引けるのを待った。まあいいか。そう思えてきた。コアサポーターとツアーの人が引き上げる。そして私たち個人旅行者も引き上げる。一緒に応援したサポーターがワゴンタクシーをチャーターしたので同乗させてもらった。タクシーはもう待機していて私たちが乗り込んだらすぐに発車した。
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タクシーは暗闇の高速道路を走る。最初は私たちだけだったがイスファハン市街に入る頃から車が多くなってきた。驚いたことに私たちを抜き去る車の殆どが私たちに向かって身を乗り出し、「セパハン、セパハーン!」と叫んできた。みんな笑って手を振っている。私たちも手を振り替えした。ラグビーで言うノーサイドになったんだなと感じた。
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その後ホテルに着いた。時計は夜の10時を回っているが、お腹もすいているので皆で食事をする。ホテルのレストランは既に終わってしまったが、ありがたいことにシェフは厨房を再開してくれた。キャバーブ、ライス、サラダ、etc・・・お酒がないのが残念だがそれはもうどうでもよかった。とりあえず今回の遠征の最大の目的は完了した。
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食事が終わり、散会した。明日はシーラーズに行く予定である。
(続く) |
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