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準々決勝第二節 川崎フロンターレ 対 セパハン


(川崎:等々力陸上競技場)

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準々決勝 セパハン-川崎フロンターレ

準々決勝 川崎フロンターレ-セパハン

ACL総括

 9月26日。正念場を迎えた一戦。午後5時30分、一切の残務処理を打ち切ってして会社を出る。蒲田から東急多摩川線多摩川駅で乗り換え新丸子駅下車。いつもは途中のファミリーマートでビールと弁当を買うのだが、今回は駅前でラーメンをかっ込む。競技場では勝ちに専念するため、飯は食わない。


 イランでの第一戦は悪い結果ではない、と言った程度のもので、決して良くはない。セパハンが1点取ったら川崎は2点とって勝つしかない。今の川崎の状況から見てセパハンを無失点で抑えるのは難しく、2点取るのは容易ではない。難しいゲームになるだろうなと思っていた。


 そういうアウェイゴールの妙がゲームを非常に難しくしてしまったと思う。点を取られてはならない川崎はディフェンスをあげられずにフォワードだけの攻撃になってしまう。ジュニーニョやテセがどんなに頑張っていても彼らだけでセパハンのディフェンスを崩すのは難しいものがあった。



 幸いなことにセパハンも攻め方は同じで積極性は感じられなかった。代表戦を見ても同じだけれど、中東のチームは全員前がかりになって攻め込むことは少ない。一人一人の個人技はそれなりに見所もあったし川崎は危ないシーンもあったけれど、3バックは良く防いでくれた。ヨーロッパのチームにあるような長身のフォワードがセパハンにいなかったのも幸いだった。スピードを抑えてしまえばなんとかなる、そういう風に思えていた。全体を通してみれば膠着した90分だった。



 後半ロスタイム、セパハンが攻勢をかけて川崎が守る展開が続く。J昇格初年度はここで点を取られて負けるケースが多かっただけに嫌な思いがあったのだが、なんとかしのいだ。正直、点が取れなくてイライラするよりも、無失点で終わらせてほしいと祈っていた。幸いという言い方はおかしいが、スコアレスドローで90分が終わり延長戦へ。川崎の疲れ具合を見ると全員極限に達しているのがあきらかで、点を取ることは期待できなかった。川崎が無失点で切り抜けられるかはかなり怪しかったがあとはPK戦にかけるしかなかった。


 疲れているという状況はセパハンも同じだったのだろう。延長戦は淡々と進み、両者の意志はPK戦でつけようと合意しているようにも見えた。試合はその通りに進み、予想通りPK戦へ。私はフロンターレでPK戦を見たのは初めてである。今まで経験していなかったことなので結果は予想できなかった。ただ、勝ってほしいという気持ちしかなかった。


 PK戦は運でしかなかったと思う。PKを外した選手や止められなかったキーパーが、と責めることはできない。第一戦、第二戦ともに点が取れなかったことがすべてで、あとは運でしかなかった。PKを外して泣きじゃくる選手を見れば、またACLに出られるように頑張ろうということしか言えなかった。そういう経験ができたというだけでこの舞台を去るしかないのだなと思った。


 悔しいとか悲しいとかいう思いはなかった。しかし一つの結果が出て川崎のACLは終わった。それ自体私は充分に誇ってよいと思う。ACLには29チームが参加するが、そのうち28チームのサポーターは全員この気持ちを味わうことになる。勝ちつづけると言うことはやはり難しいのだなと敗退して初めて感じる。頭で理解することと体がわかることはやはり別だ。


 今年のACL、私は全部行くつもりだったが、今日の試合でそれも終わった。なんだかんだ行っても楽しいシーズンだった。インドネシアも韓国もタイもイランもサッカーで戦いに行くからこそ味わう景色があった。海外に行って敵として迎えられる経験などそうはないだろう。どの国に行っても歓迎はしてくれたけれど、みんな敵としての歓迎だった。私の知らないサッカーがそこにあった。それだけで言って良かったなと思う。できれば・・・この試合に勝って次のUAEにも勝って埼玉で浦和とやりたかったがそれは仕方がない。また挑戦すればよいことだ。このチームはまだ次がある。


(おしまい)
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