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2008.04

2日目:全北現代-大邱FC

観戦記

初日:ソウルのスタジアム
2日目:全北現代-大邱FC
3日目:浦項スティーラーズ-大田FC
最終日:ソウルのスタジアム
←初日から

 午前6時、キッチリと目が覚める。私はどんなに疲れていても、旅行中は早く目が覚める。さすがに4月にもなると日が昇るのが早い。薄暗いモーテルの窓を開けると日が差している。今日も良い天気になりそうだ。


 今日と明日はKリーグの試合を観戦する。今日の対戦カードは全州ワールドカップスタジアムで行われる、Kリーグ第6節、全北現代FC対大邱FCである。全州ワールドカップスタジアムは、帆をイメージした斬新なデザインのサッカー専用スタジアムである。スタジアムオタクとしては見逃せない試合だ。


午前7時、モーテルを出て、目の前の大通りからタクシーを拾う。ここでトラブル発生。運転手に「スオンバスセンター」と言ったはずだが全く通じない。ちゃんと確かめれば良かったのだが、お互いOK,OKと適当に理解しあったのがまずかった。20キロ以上走り回って全く別の場所に連れて行かれて喧嘩になった。うーーーん。最終的にはバスセンターに着いたが、本当なら所要時間5分で2千ウォン(200円)程度なのに2万ウォン(2千円)も払うことになった。馬鹿馬鹿しい。まあタクシーを1時間乗り回して2千円ならよしとするか。


 全州(チョンジュ)は韓国有数の大都市なので韓国のあらゆる都市から長距離バス便が頻発している。水原バスセンターで全州までの切符を買うと、10分後に出る便の指定席を出してくれた。韓国は旅慣れてくると鉄道よりもバスの方が便利な国である。バスはすぐに出た。4列シートだがシート幅が広く快適である。高速道路をひた走り、2時間ほどで全州到着。大都市なので高層ビルが建ち並んでいるかと思ったが案外鄙びている。鳥取とか松江とか、あるいは30年前の横浜とか。そんな感じの町である。


 試合開始は3時であるが、まだ間があるので昼飯をとる。全州はビビンパブの発祥の地である。
去年、訪問する際にビビンパブを食べる予定だったのだが、全州には行かなかったので今年は是非行きたい。バスターミナルを出ると周囲にはビビンパブ屋がたくさんあって、確かに名物であることを伺わせる。


 時間がないのでバスターミナルの近くの店に入る。 完全に市民向けの食堂で、店のオバチャンは英語も日本語も通じない。メニューはハングルなので、適当にメニューを指さして頼む。ハングルは規則性のある文字なので習得は容易なのだが、めんどくさいのでいつもこの状態である。もっとも何回か行っているとどこに何があって、どういうものなのか、大体検討がつく。


 ビビンパブ・・日本で言うビビンバそのものであるが、やはり本場はおいしい。ビビンパブというのは本来、具をかき混ぜて食べるのだが、ご飯と別々に食べてもおいしい。熱々のご飯と釜にこびりついたお焦げがおいしい。悔しいが熱料理は韓国にはかなわない。これで5千ウォン(5百円)なら、またこの町に来たいと思う。




 時間がおしてきたので店を出る。試合は3時から始まるが、スタジアムは市の中心部から離れているのでタクシーを使う。バスもあるのだが、韓国はタクシー料金が安いので積極的に使いたい。バスターミナルで客待ちをしているタクシードライバーにスタジアムの写真を見せる。彼はすぐに理解し、私を車内に招き入れる。


 スタジアムは遠かった。15分くらい走ったと思う。韓国の専用スタジアムの質は日本より上であるが、場所は難があるところが多い。10年先には地下鉄などができて発展するのかもしれないが、今は我慢である。


 スタジアムは外観こそ平凡だが、中は美しかった。扇子をイメージしたといわれる四辺の独立した屋根は実に機能的で、日本の、伊達政宗の三日月の兜イメージしたどこぞの陸上競技場とはエライ違いだった。見やすさで言えばカシマのスタジアムと大差ない。ただ、スタジアムについての考え方には大きな差があった。


 ただ、褒めるところはそこだけで、あとは酷いものだった。何よりも空席の多さが気になった。公式入場者数は1万人を超えたらしいが、実際は3千人も来たかどうか・・・。全体的にほぼ無人と言って良く、観戦するのはかなりきつかった。サポーターはホームゴールが数十人、アウェイ側が数人だった。この人数はJ2どころかJFLでも見ない。数年前の佐川東京対横河武蔵野の試合がこんなだった気がする。



 試合内容も酷いものだった。アウェイの大邱FCの一方的な展開で、試合の大半は全北現代のサイドで行われた。全北のチームプレーは皆無といって良く、全北が、がむしゃらに仕掛けては大邱にカウンターを取られ、ゴールを決められていった。正直、このレベルだと見ていて辛い。無人のスタジアム、アウェイ側の一方的なスタジアム、これほど興味をそがれる展開が他にあるのか、私には思いつかない。



 拷問のような90分が過ぎ、0-3で試合が終了した。どうしてこんなチームがACLで優勝できたのか想像できない。親会社の現代自動車が金でも積んだのかと思う。まあ坂サッカーチームというのは年ごとに全く違うモノになるので2年前と現在のチームを同一に比較はできないが。


 悶々とした気持ちでスタジアムを出る。全州ワールドカップスタジアムは大きな公園になっていて、バス停まで結構歩く。とっととここを引き上げたい気持ちが強かった。帰りのバスの路線番号は控えていたが、目的のバスを待つのが面倒くさいので、目の前に到着したバスに乗る。運転手に行き先を聞くとバスセンターには行かないようだ。しかし結構人が乗るので、市の中心部に行くのだろう、と予想はできる。案の定バスは中心部に向けて走り出す。大通りに出たところでバスを降り、タクシーを拾う。幸いバスセンターはすぐ近くにあり、スタジアムを出てから30分もしないうちに到着した。


 もう少しゆっくりしたかったが、大邱までの切符を買う。ターミナルの近くに競技場があるので少し見学した後、バスに飛び乗る。日がだんだん暮れてきた。夜9時、大邱着。バスターミナルの近くがモーテル街だったので、適当に選んでチェックインする。少し疲れた。早く休みたかったが、このホテルは酷いモノで、掃除がされていない。バスルームに入ると女のものと思われる長い髪の毛があった。


 気が滅入るので外に出る。大邱市内は屋台が沢山並んでいる。焼き鳥やおでんがある。コチュジャンなどで味付けされているので日本のモノとは違うが違和感はない。一本500~1000ウォン(50~100円)程度なのでパクパク食べる。適当に食べ、飲んでいくウチに夜が更けていった。明日は浦項に行く予定である。



3日目に続く→

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