
最初から計画は難航した。渡航予定の中東3カ国のうち、シリアだけが事前にビザが必要で、その書類をそろえていたのだが、在職証明書の作成を自分の勤めている会社に申請したところ、却下を食らってしまった。担当した人事部曰く、「そんな危ない所に行くことを会社が認めるわけはいけません」と。
まあ確かに外務省の海外渡航情報によるとシリアでは全土に「充分に注意してください」と出ている。これを根拠にしてダメだということらしいが、内容を見ると危険なのは主にイラクとの国境線とアメリカの大使館・施設関係であって、普通に旅行する限りでは大丈夫だと思うのだが。それ以前に休暇を使用して何をするかまで会社に言われたくはない、という気持ちが強い。
もっともどこの国に行くかは本人の自由、ということを主張するなら証明書の発行をしないのだって会社の自由というのも一理ある。この件で会社に文句を言うのは間違いかもしれない。微妙に面白くないが仕方がない。私は申請用紙の職業欄に、「retire(退職)」と書いた。俺はぷー太郎なのか・・なんとなく先が思いやられる。
シリアのビザは国境でも取れるという話はアチコチであり、どうも本当のようなのだが、私はリスクを避けるためにちゃんと事前に取る。六本木のシリア大使館でシールのビザをを貼ってもらうと渡航の気分が沸いてきた。
|
|