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シリア入国


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 10月6日 遠征3日目

 午前6時起床。疲れている上に30時間くらい寝ていないのだが、西方に旅行すると決まって早く目が覚める。朝早くと行っても日本時間で言えばちょうど正午なので、早く目が覚めるのはある意味仕方がない。

 
 今日はシリアに向かう。本当はもっとヨルダンを観光したかったが、サッカーの日程が優先なので仕方がない。イスラム圏はラマダン明けからそれほどいないせいか、リーグ戦の日程がなかなか決まらなかった。7日、つまり明日レバノンで開催されるAFCカップを見るためには今日中にシリア入りしたい。よって早めにレバノンを出国する。サッカー観戦旅行の常だけれど、試合が開催される日と都市が無為に決まるので、試合が開催されていない日はどうしても都市から都市への移動日になってしまう。目的地はいろいろ考えたが、ここは素直に首都ダマスカスに向かう。アンマンからダマスカスまでは約200キロ。


 私の泊まったホテルは旧バスターミナルで、道路周辺には旅行会社が多い。それぞれがアンマンの各観光地やダマスカスへの客引きをしている。私もいくつか店舗を回る。と言ってもバスは避けたかった。アンマンからダマスカスへ行くためには当然国境を越える。40人近くも乗り込めば出入国で引っかかる奴が出る可能性が高い。だからタクシー相乗りか、タクシーチャーターにしたかった。


 最初に入った店でアンマンまでのタクシー代を聞く。店主曰く、USドルで80ドルとのこと。・・・・・・少し考える。200キロの距離をタクシー借り切って約9000円ならまあいいのかもしれない。というか、普通の日本人は100人中100人が安いと思う気がする。でも・・・うーーーーーん。


 「相乗りならいくらなの?」と聞いてみる。「USドルで20ドル」「安!!」「でもあんた日本人だろ。金持っているんならチャーターにしなよ。」・・・微妙に既視感を感じる。この展開はつい昨日やったような気がする。


 別に日本人なら金を持っているわけではないのだが、まあ確かにチャーターでも安いよなあ・・・・・。でも私は乗り合いに決めた。今回の旅行では予算を1日に100ドルに設定しているので、タクシー代に80ドル使うと泊まるところがなくなってしまう。まあ人生何事も経験である。経験というのは2度目の失敗をしないことに価値があるのだが、気にしないようにする。私はセルビス(乗り合いタクシー)乗り場に連れて行ってもらった。「地球の歩き方」によると、セルビスは大型のアメ車を使用していると書いてある。アメ車なら乗り合いでもいいんじゃないかと考えた。


 タクシーはすぐ近くで待機してあった。客も乗り込んでいて、あと一人、つまり私で定員だった。それはいいのだが、車は大型のアメ車ではなくて韓国の小型車だった。どこがアメ車やねん!!無性に腹が立ったが仕方がない。あきらめて後部座席に乗り込むと、先客はこれまたメタボリックなおっさんと、軍隊上がりを思わせるような胸板のゴツイおっさんだった。これに私が間に入る。地獄である。だいたいこんな小さな車の後部座席にこの先客2人が乗り込めている自体奇跡に近いのにさらに体重70キロの私が乗るのである。物理的に人間が入るのか?という気がしたがちゃんと入った。当然ながら息をするのがやっとである。おまけに汗臭い。前席は妙齢の女性で当然彼女が独り占めしている。いいなあ。


 運転手は私たちから代金を受け取るとすぐに出発した。アンマンとダマスカスという2カ国の首都を結ぶ道路なので、全線が高速道路規格になっている。よってタクシーは飛ばす飛ばす。あっという間に国境についた。まずはヨルダンの出国審査。


 みんな慣れているのですたこらと事務所に向かうが、私は初めてである。審査場所がどこにあるのか迷っていると前部座席に座っていた女性がにっこりと微笑んで案内を買って出てくれた。「お姉さんが教えてあ・げ・るっ」と言っている訳ではないだろうが、ありがたく好意をいただくことにする。


 出国審査、これは問題なかった。出国スタンプを押して貰って車に戻り少し走ると今度はシリア側の入国審査に入る。これが手間取った。管理所はかなり混んでいて、しかも人々は並んでおらず勝手が悪い。私は彼女に教えて貰うので初めての時でも多い日でも安心なのだが、タクシーをチャーターして一人で来たら迷っていたかもしれない。シリア人用窓口は混んでいたが外国人用窓口は空いていた。ビザを事前に用意していたのも良かった。なにか聞かれるわけでもなく、あっさりスタンプを押して貰って審査終了。彼女も終わった。事前に危惧していたのよりもあっさりと終わってしまったが、まあいい。私は両替所にいってシリアポンドを入手する。あとはダマスカスに着くのを待つばかりである。


 後ろ2人の戻りが遅かったが、みんなそろったので出発する。ゲートをくぐり、シリアに入った。
シリアにはいると車はますますスピードを上げ、午前11時、ダマスカス着。
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UAEの路線バス
ヨルダン入国

3日目
シリア入国
ダマスカスのスタジアム

4日目
レバノン入国
拘束される
AFCカップ

5日目
バールベック遺跡

6日目
ガンバはフェアだった
遙かなるバグダッド

7日目
シリアリーグ開幕戦
また拘束される

8日目
ヨルダンリーグ

9、10日目~最終日
さようなら中東

(続く→) 

 
 
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