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レバノン入国



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わかの観戦日記
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初日
中東へ

2日目
UAEの路線バス
ヨルダン入国

3日目
シリア入国
ダマスカスのスタジアム

4日目
レバノン入国
拘束される
AFCカップ

5日目
バールベック遺跡

6日目
ガンバはフェアだった
遙かなるバグダッド

7日目
シリアリーグ開幕戦
また拘束される

9、10日目~最終日
さようなら中東
 朝起きてすぐにチェックアウトし、バスターミナルに向かう。今日はレバノンに入る。旅に出て4日目で早くも4カ国目の入国である。毎日毎日違う国に入国するのも凄いなと思う。ゆっくりできないから疲れも出るが、サッカー観戦にスケジュールを合わせるとこういうことになってしまう。


 タクシーでベイルート行きのバスターミナルに行く。セルビス(乗り合いタクシー)を探そうとしたが、向こうからワンサカよってきた。みんな口々に俺の車に乗れ!と言う。値段はみんな同じだから選びようもない。ちらっと周りを見ると最後の一人待ちの車があったのでそれに決める。こういうのって運転手同士で協定を作って、順番に客を乗り込ませるような仕組みを作れば、労力無く客待ちができると思うのだけど、どうなのだろうか。運転手同士が客の奪い合いをしたって誰も幸せになれないんじゃないかな。


 タクシーは私を乗せるとすぐに発車した。前席はまたも女性で横は実業家風の青年。車は新車の日産ティアナ。実に快適。同行者もみんな愛想がよい。


 タクシーは山を二つ越える。最初はアンチ・レバノン山脈で、これを越えると国境。出国審査と入国審査を終了し、国境を越えると景色は急に荒廃し始めた。通過する町のロータリーに装甲車が配備され、旋回銃を水平に構えた兵士が威嚇している。戦車もいる。ベイルート市内に入ると穴だらけのビルが目に付く。内戦の国に入ったことを実感した。アンチ・レバノン山脈を越えると次がレバノン山脈が現れる。これを越えると地中海が現れ、建物も西洋風になった。気温もシリアとは全く違う。地中海性気候と言うのかよくわからないが、暖かくて温暖な空気が流れ込んでいる。車はベイルートの市街地に入り、交差点の一角で私をおろした。


 微妙に疲れているが、これからスタジアムに行かねばならない。今日、ベイルート迄やってきたのはAFCカップ準決勝を見るためである。しかし私はスタジアムの場所も開始時間もはっきりと知らない。AFCのホームページにはスポーツスタジアムで16時からと書かれているが、13時からと書かれているサイトもあり、事前に確かめておく必要があった。


 セルビスを降りて今度はタクシーを止める。ベイルート・スポーツスタジアムと言うとタクシードライバーはすぐに走り出した。海岸線を走り、大通りに抜けると前方に照明灯が現れ、スタジアムに到着した。時刻はちょうど正午。周囲は無人である。13時試合開始ならばもう入場開始してもおかしくないが、誰もいないと言うことは、まだ準備前なのだろう。スタジアム周辺の警備は厳しい。スタジアムの外周は鉄条網に囲まれて戦車や装甲車が配備されている。こういう公共施設はテロの対象になりやすいと政府が判断しているのかもしれない。私は警備中の兵士に試合の開始時刻を聞いた。英語が全く通じないのでコミュニケーションに難があったが、16時開始で間違いないとのこと。まだ若い兵士で顔が幼い。海外に出かけると、どうも兵隊を避けてしまいがちだが、話せばいい人達が多い。


 試合開始時刻がまだ先なので、今のうちにホテルを見つけてチェックインを済ませようと思う。私は再度タクシーを拾った。目指すはベイルート最大のショッピングスポット、ハムラ地区。日本で言うと青山や六本木に相当する。高級ホテル街もこの地区に固まっている。私は普段、安ホテルに泊まっているけれど、数日に一泊くらいは100ドルくらいの高級ホテルに泊まることにしている。「一泊100ドルで高級ホテルなのか!!」と突っ込みが入りそうだが、バックパッカーに取っては100ドルというのはかなりの大金なのである。


 レバノンは戦争中なので危ない、と言われているが、ハムラ地区はそうでもなかった。スターバックスがあり、フランス料理屋が建ち並んでいる。歩いている人も西洋人が多い。イスラム風の人はあまり見なかった。町並みはお洒落、清潔で戦争や内戦をやった都市とは思えなかった。そういう自治区なのだろう。いいのか悪いのかわからないが。



 ホテルは最初の一軒目であっさり決まった。朝食付き110USドル。カードキー方式のダブルベッドでちゃんとバスタブもあり、アメニティグッズもある。普通の旅行者からすれば当たり前の設備であるが、私としてはありがたい設備である。少し一眠りしてもう一度スタジアムに出かける。セルビスタクシーを捕まえたのは良かったが、延々住宅地を走り回ったので直線距離で2キロの所を1時間かかってしまった。着いたのは午後3時10分。試合開始まで1時間を切っていた。スタジアムの入口もちゃんと開いていて、観衆が三々五々と入場している。警備の数が多い。こういうのは警察の役目だと思うが、レバノンは軍隊なのだろうか。装甲車も待機している。


 試合開始まで間があるので私はスタジアムの周囲を撮影した。ただ、今から考えるとこれは非常に軽率な行為だった。何枚か取り終わった直後、背後で怒鳴り声がした。振り向くと兵士が数名私の方に向かってくる。やがて兵士達は私を取り囲んだ。肩に下げたM16アサルトライフルが緊張感を漂わせる。少なくとも異常事態であることは確かだった。


(続く→)

 

 
 
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