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AFCカップ



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 ベイルート・スポーツスタジアムはアジアカップ2000の決勝会場で、日本はこのスタジアムでサウジアラビアを下し、アジアチャンピオンになっている。内戦の国でサッカーをやるとはどういう神経なのかと当時の私はいぶかっていたが、実際は警備の良さもあり、それほど問題ではなかったらしい。


 収容人数5万5千人、日本の国立競技場を思い出させるが、入ってみるとすべての椅子は埃を被り、所々壊れていた。観客は殆どいない。両チームのサポーターがメインスタンドの両端に別れて座り、招待者が中央に座るという、JFLで良く見るような光景だった。空席のスタンドは虚しい。グラウンド内に大勢の記者やカメラマンがいて、広告看板もAFC国際試合仕様なのに客がいない、というシュールな光景は考えてしまう。もっとも平日の午後4時キックオフで、一般観客が見に来るのか、とも思うのだが、ことレバノンに関して言うと平日にやろうが休日にやろうがデーゲームだろうがナイターだろうが、客はこない!!というのが一般的な評価なので、観客に関して言えばいまさらなのだろう。

 今日の対戦カードはホームチームが地元ベイルートのアル・サファ。対戦チームはインドのデンポである。デンポは2009年度のアジア・チャンピオンズリーグに出場が決定している。この試合を勝って来年にのぞみたいに違いない。


 スタメンが発表される。が、アナウンスのみで電光掲示板に名前が載らない。というか、電光掲示板自体が使用されていない。これは酷い。マッチデープログラムも何もない状態で観戦するのだから、せめて電光掲示板くらいは使ってほしかった。故障しているのかもしれないが、運営の問題だと思う。レバノンはAFCカップ優勝常連国なのにチャンピオンズリーグに出ることができないのはこういう運営がダメだからかもしれない。いずれにしても非常に長閑な空気で8年前のアジアカップの熱気とはほど遠いものがあった。


 FIFAアンセムが鳴って選手入場。パチパチとまばらな拍手が微妙な空気を醸し出す。私は解放された安心感もあって、とりあえずボケーっと眺めていた。このような場に日本人が来るのが珍しいのか、警備の警官が入れ替わり立ち替わり近寄ってくる。もちろん不審者としてではなくて、好奇心からだろうが。




 試合は、予想外にレベルが高かった。予想外というのは失礼な言い方だけど、ロングボールの蹴り合いになるだろうと予想していたので、ある意味いい裏切りだった。サイドを使うデンポ、中央から組み立てるサファと両チームの良い特徴がちゃんと出ている。これが日本のJ2あたりになると良いところのつぶし合いになって白けさせるので、こういうサッカーは見ていて楽しい。もっともパスの受け渡しやもらい方に時間がかかっているのでAFCチャンピオンズリーグに出るようなレベルの高いチームと対戦すれば苦戦はするのだろうけれど。90分試合を観戦し続けることができるサッカーというのはアマチュアレベルでは案外少ない。AFCカップ準決勝というだけの試合ではあった。


 ただ、両チームともシュートまでなかなかいかない。パスの渡し方が遅いのが原因だろうが、フォワードまでボールが行く間にディフェンスがみんな戻ってしまう。日本サッカーで良く見る悪い特徴がこの試合でもあった。試合は無得点のまま前半を終わった。たんたんと時間を消化した展開だった。

 後半はうってかわって両チームともカウンターの応酬になる。好守の切り替えが激しくて見所も多いのだが、きわどい判定も多くなり、審判に詰め寄る場面が多くなる。ある程度は仕方がないが、審判の態度も曖昧なのがよろしくない。サファが1点を取ったあとはさらにプレーのラフさがヒートアップしてきた。それが裏目に出たのかもしれないが、一つの判定で揉めた。


 サファの選手がペナルティエリアの「中」で倒された。笛が吹かれる。当然PKである。デンポの選手は必要に抗議した。ここまでは良くある光景である。通常、このシーンは抗議しても判定は覆らない。しかしデンポの選手の抗議の結果、なんと判定は覆ってしまった。デンポ側フリーキックでプレー再開。こんどはサファ側の選手が抗議しだした。そりゃそうだろうな。PKが取り消されたのだから。どうなるんだろう。







 しばらくケンケンガクガクした結果、驚いたことにこの韓国人の審判はサファ側のコーナーキックとした。これはむちゃくちゃだ。PKがコーナーキックに変わるなんて見たことがない。第一ラインを割っていないじゃん。いいのか?と思ったが両チームの選手は納得したようでコーナーキックで再開した。10分くらいロスしたんじゃないだろうか。


 試合は終盤に入る。デンポの一方的な攻撃と守りきるサファと言った構図で見所のあるものだった。
長いロスタイムを守りきり、サファが1-0で勝った。抱き合って喜ぶサファと芝生に手を突いてうなだれるデンポ。まだ第一レグが終わったばっかりだし1-0というスコアはまだわからない。私は結果を見届けるとスタジアムを後にした。


 スタジアムからの帰り際、ネットカフェがあったので少し時間を潰す。出る頃には無人になってしまいタクシーを捕まえるのに苦労したが、なんとかホテルに戻った。夕食は町中の中華レストランで取った。レバノン・ワインと焼肉料理の組み合わせはというのはなかなか良い。明日はシリアに戻る。食事事情が悪くなるので今のうちに美味しいものを食べたかった。


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