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第1節 川崎フロンターレ 対 天津泰達


(川崎:等々力陸上競技場)

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第1節 川崎フロンターレ-天津泰達

第2節 浦項スティーラーズ-川崎フロンターレ

第4節 
川崎フロンターレ-
セントラルコースト・マリナーズ

第5節 
天津泰達-川崎フロンターレ

第6節 
川崎フロンターレ-
浦項スティーラーズ

準々決勝第一戦 
川崎フロンターレ-
名古屋グランパス

準々決勝第二戦 
名古屋グランパス-川崎フロンターレ


 17時30分。会社の終業の鐘が鳴ると急いで蒲田駅に向かい、東急多摩川線に飛び乗る。今日は楽しい国際試合。日頃の体調不良が嘘のように元気になる。自分でも正直、なんだかなあ、と思う。鉄道紀行作家で有名な故・宮脇俊三氏は著書の中で、「会社の中ではうだつが上がらないくせに、会社の外に出ると、とたんに元気になる」と自分を評していたが、私はこれがよくわかる。こういう人間が香山リカの逆鱗に触れるのかもしれない。


 等々力に着くと雪が舞い降りた。携帯で天気概況を見ると、大田区から世田谷区にかけて雨が降っているようで、この影響かもしれない。まあ雨雲はごく一部だから降ってもたいしたことはないだろう。私のいるSG席は屋根もある。ただかなり冷え込んできている。


 天津泰達は「Tianjin Teda」と読む。「泰達」は「TEDA」の中国音を漢字に当てたもので、ストレートに「テダ」と読んでよい。「TEDA]とは「Tianjin Economic and Technology Development Area」の頭文字を取ったもので、日本語に直すと天津経済技術開発区サッカークラブとなる。


 川崎は中国チームとの対戦は初めてなので楽しみである。等々力競技場には試合開始30分前に着いたが、すでに人が一杯で、混雑している。私もコーナー対角の席を確保し、試合開始を待った。幸い雪は止み、良好なコンディションの中で試合が始まった。


 で、内容であるが・・・・・・


 勝ったからすべてよし、としか言えない試合だった。内容の良い負けよりは内容の悪い価値のほうが何百倍も上だと思っているので、今日の試合に関して言えば、よくやったと言いたい。というか、言わざるをえない。正直、かなりしんどいモノがあった。


 ここのところ、毎年ACLを見ているので中国チームに関してはかなり強い、という先入観があって、今日の試合はかなり厳しいと思っていたのだが、実際はかなり緩いチームで、この程度の相手にこの程度の試合しかできないのか、という複雑な気持ちだった。


 天津はプレスをかけるわけでもなく、サイドをえぐるわけでもなく、ポストに当てるわけでもなかった。あえて言うならば、川崎のパスコースを潰すことしか考えていないようだった。球際のの執着心がなくてセカンドボールの大半は川崎が奪っていた。


 天津がこの程度のチームでしかないのならば、川崎には王様サッカーをしてほしかった。圧倒的なポゼンションでサイドを揺さぶり、天津のゴール前に詰めてほしかった。それなのに川崎の攻撃もまた様子見、というところが強く出ていて、その結果、どちらも攻め手を見いだせない、ボールばかりが横と後ろを動き回る試合だった。


 こういうポゼッションを取った上で様子見、という展開は数年前のJ2では結構あって、退屈きわまりなかったのだけれど、まさか川崎が、それもACLで見せるとは思ってもいなかった。山岸はボールを持つと隣にいる寺田に回すか、キーパーの川島まで戻すかのどちらかで、おおよそゲームを作っていこうという意欲に乏しく、見る人をイライラさせた。前日の試合でガンバの佐々木がリスクを冒してサイドを駆け上がっていたのが印象に残っているだけに、山岸のセーフティファーストな試合運びには幻滅をしてしまう。こんなはずではないのになあ・・そう思っていた。


 低いレベルのチームと試合をすると、試合レベルは低くなってしまうことはよくある。サッカーに限らずゴルフでも野球でも同じ。自分達のスタイルを貫き通してやれば必ず勝てるのであるが、それができるチームはほとんど無い。


 攻撃がだめな変わりに守備は良かった。川島をはじめ、ディフェンス陣は敵の攻撃を危なげなく防いでいた。川島との連携もよく、そういう意味では進歩したのかもしれない。天津に新加入した元イタリア代表のトンマージはさしたる見せ場も作れず、中盤の中に消えていたのも、川崎の守備が向上したからではないだろうか。この守備がコンスタントにできればリーグ戦でも希望が持てる。


 試合は前半の早い段階でレナチーニョがヘッドであわせて先制し、その1点を守りきって勝った。ある意味川崎らしからぬ試合であるが、今日はこれで良しとしたい。繰り返して書くけれど、内容の良い負けけよりは内容の悪い価値のほうがずっと上なのだから。

 
 納得はいかないものの、勝利に安堵してスタジアムを出る。昨日、ガンバと名古屋が勝っているだけに負けられないものがあった。それが達成できたのは良かった。次の試合は3月18日、韓国浦項で行われるACL第2節、浦項スティーラーズ対川崎フロンターレである。


 等々力競技場:観衆12,125人(公式発表)
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