前回からの続き
10月17日土曜日。激しく窓を叩く雨の音で目が覚めた。時計は午前8時。Sリーグはすべてナイターで19時45分開始と日本より遅いので終了時刻も日本より遅くなる。試合後に飲んで食べてホテルに戻ってサッカーチャンネルでプレミアやワールドカップ予選などを見ると、寝るのは午前3時くらいになってしまう。同じホテルに寝泊まりして、特に長距離を移動する観光ではないので、どうも普段の海外旅行とは勝手が違う。シンガポールは多少暑いことを除けばビルも地下鉄も特に日本とは代わりはなく、午前中は部屋でうだうだと過ごすことが多くなってきた。
午後、食事を取った後、地下鉄でブギス駅に行く。そこから徒歩で10分、クイーンズ・ストリートバスターミナルから出るジョホール行きのバスに乗る。昨日はスタジアムしか見ることができなかったので、もう一度町を見たかった。
昨日と同じように出国検査をして、橋を渡って入国検査を受ける。入出国にたびにパスポートにハンコが押されるので、パスポートのページがかなり賑やかになる。今日は土曜日なので家族連れが多い。子供が普通にパスポートを持って入国審査官と普通に会話しているのを見ると、日本人の考える国境とはかなり違うことを実感する。
入国管理所は市のセントラルモールを兼ねているので、まずはそこに移動する。かなり大規模なショッピングセンターで、吹き抜けの回廊にテナントがぎっしりと入っている。物価はシンガポールの7割程度。日本のほぼ半額。シンガポールドルも普通に使えるので、これならば買い物感覚で国境を越えるシンガポール人が多いのにも納得する。
ショッピングモールの中でいくつか買い物をしたり、マレー料理を食べたりして過ごした。少し外に出て観光しようかと起ち上がると、フットマッサージの看板が目に入った。2時間で約2500円。安い!!観光はキャンセル。そのまま中に入る。あーーー気持ちのよい2時間であった。マッサージが終わると私はマレーシアの出国管理所に向かった。もう日が暮れている。このままスタジアムに向かい、Sリーグの試合を見る予定である。
シンガポールのウッドランズチェックポイントを抜けると路線バスに乗り、ウッドランズ駅で降りた。ここから地下鉄に乗り、シンガポール島の西側にあるパイオニア駅で降りる。目の前にスタジアムがみえた。既に照明が灯り、選手がアップしている。この試合が私のSリーグ最終試合である。カードはゴンバックFC対タンピネス・ローバーズ。タンピネスは初日に見たチームである。中村・金古の両選手もスタメンで出ている。
試合は・・・申し訳ないが、記憶に残っていない。正直な話、さすがに飽きた。選手のレベルをどうこういうつもりはないのだが、戦術に仕掛けがなく、センターラインを挟んでボールが行ったり来たりするだけのサッカーはさすがに見ていて辛い。選手達は一生懸命やっているのだろうが、観客の立場からするとそう思ってしまう。試合はタンピネスが2-0で勝った。
再度地下鉄に乗ってホテルに戻る。今日は土曜の夜である。私はゲイランストリートに出て、シンガポールの最後の夜をうだうだと過ごした。明日は日本に帰る日である。
つづく |