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2012年11月9日(金)

初日2:チョンキンマンションの夜は更けて


(その2)

観戦記

初日
チョンキンマンションの夜は更けて(その1)
チョンキンマンションの夜は更けて(その2)
U-18橫濱FC香港
あやしいマッサージ(香港編)
2日目
南區 vs 日之泉JC晨曦
がんばれ吉武剛
3日目
香港サッカー協会
香港スタジアム
最後の試合
4日目
ホームスタジアム
最終日
さようなら香港
前回からの続き
チョンキンマンションは近年改築されたようで、写真などで見ていたような薄汚いイメージはなかった。正面入り口は日本の家電メーカーのネオンサインが炊かれ,右端は富士通の単独サインボードがかかっている。正面から見た限りでは特に問題のない雑居ビルである。


 しかし入り口を入ってみれば様子は一変する。薄暗い店内には無数の雑貨店が軒を連ね、それぞれは決して綺麗ではない。


 でも、私から見れば特にそれが問題になるようなものではなかった。ぶっちゃけ、秋葉原のラジオセンターと極端な差はない。少なくとも魔の巣窟とか犯罪の温床と呼ばれる物は見当たらなかった。これは外装の改築と併せて中の雰囲気にも力を入れているのだろうと思う。白シャツ黒ネクタイの警備員がそこかしこにいて、危険な空気を積極的に排除しようとしているのがうかがわれる。


 日本の、特に香港に来るような日本人観光客にとって異様に映るのは建物よりも中に出入りする人たちではないかと思う。一目見てインド系やスリランカ系、あるいは中東の人が多く、その雰囲気が外通りのネイザンロードを歩くセレブな人たちとは対をなしているので怖い、というイメージがあるのではないか。実際、薄黒い肌に白い目がギョロっと睨めば海外旅行に行き慣れない人たちは萎縮してしまうだろう。だけどそれだって私から見れば特に気にするような物はなかった。


 中のお店は多岐にわたり、衣類、食料品、電化製品、本屋、両替商がところ狭く並んで、おもしろいと言えばおもしろい。安宿街でもあるのでバックパッカーがかなり多く、自分もその一人なのであまり注目されないのは助かったともいえる。少しあたりを物色してからエレベーターに乗った。


 エレベータは2機あり、偶数階専用機と奇数階専用機に分かれていた。かなり狭いエレベーターで、大きさは日本の小さな雑居ビルにあるエレベーターと、全く同じである。この狭いエレベーターで17階まで行くわけだから、確かに階を分けないと乗り切れなくなる。私はその一台に乗った。


 目的の階で降りると泊まる予定のホテルはなかった。別の名前のホテルはあったが、チェックインをするはずのホテルはない。おかしいなあと、そのホテルの受付に聞いてみると、別のブロックにあるとのこと。再度一階に戻り、いろいろ調べると、状況がわかってきた。


 チョンキンマンション自体は一つの建物であるが、中はA座,B座,C座,D座の4ブロックに分かれていて、それぞれ独立したエレベータで乗り降りするようになっている。それぞれのブロックは独立していて、お互いの行き来はできない。なるほどね。私はCブロックまでトコトコ歩き、目的のエレベータが降りてくるのを待った。宿泊者と思われる人は全員アフリカ、インド系。体臭がきつく、狭いエレベータにギュウギュウに押し込まれると死にそうになる。しかもほぼ全員がバックパックを担いでいる。私はやっとの思いで目指すホテルにつき、チェックインした。


 鍵を渡され、自分の部屋に入る。ベッドは清潔で予想していたよりはマトモと言う印象。トイレもシャワーもエアコンもある。これならまあいいか。4年前にシリアに行ったとき、ダマスカスで泊まった一泊10US$のホテルは薄汚い部屋にぼろぼろのベッド、匂い立つようなトイレの真横で寝たのだからそれよりはずっとましだ。私は安心してベッドに荷物を置いた。


 そこで安心したのは甘かった。


 トイレは非常に狭く、便座に座ると右膝が洗面台に当たってまともに腰が下ろせない。尻を左斜め45度傾けてなんとか座れる状態。といいつつ、右側も壁がすぐそばにある。この用さえうまく足せない狭い空間の中に、さらにシャワーが置かれている。凄いな。この空間を設計した人は凄いと思う。とりあえずトイレットペーパーをほっぽり出してシャワーを浴びる。・・・


・・・・水しか出ないぞ。コラ!


体を真横にしてシャワーを浴びていると、ここで4泊もするのか、とちょっと感慨にふけってしまう。いい意味でも悪い意味でも。



シャワーを浴びてベッドに横たわる。これがまた狭く頭がつかえてしまう。私の身長は世界的に見ればそれほど高いわけではないが、これでつかえるとなると背の高い西洋人は大丈夫なのか?またベッドの真横に使途不明の送風機があって、グオングオンと低音を響かせながら稼働させている。これ、夜になると止まるんだろうな?ここまで来るとクーラーは全く期待できないのだが、スイッチを入れてみると案の定動かなかった。うーん。



 
 考えに考えてしまうが、解決策は思い浮かばないので、外に出る。今日は金曜日だが、香港全土でアンダー14とアンダー16のサッカーの試合が開催される。当初見る予定はなかったが、横浜FCの試合も組まれているので行ってみることにした。場所は廣福人工草体育場。最寄り駅は香港鉄路東鉄線太和駅。ここから1時間程度の場所である。キックオフは午後8時30分。本当は午後6時30分キックオフのアンダー14の試合もあるのだが、さすがに来港そうそうダブルヘッダーでサッカーの試合を見るだけの体力はない。


 地下鉄の駅におり、「八達通」、通称「オクトパスカード」という非接触式IC カードを買う。このカードはソニーが開発したFericaを使用している。つまりJRのスイカそのものであるが、導入は香港の方が早い。地下鉄を二つ乗り換えて太和駅に着いた。ホーム橋から明かりが燦々と差しているコートが見える。私は改札を抜けて外に出た。ちょうど雨が降り出してきた。
(続く)
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