グラウンドは新しい人工芝で、質自体は日本にあるものと同じだった。まあアマチュアが試合をする分には人工芝で十分だと思う。日本にある人工芝グラウンドと決定的に違うのは観客席で、こちらは大きな屋根がかかった本格的な物であった。もっとも座席は全席がアルミの長椅子なので、本格的というには怪しいが、それでも観戦者にとっては非常に助かる。日本ならこのクラスの試合を観戦する場合、ネット越しに立ち見ということは普通にある。今まで何度も書いているけれど、見てもらえるという環境が技術の上達につながると私は思っているので、こういうグラウンドがある香港がうらやましい。
橫濱FC香港のユニフォームは赤色だった。アウェイユニなのだろうが、日本にはない色なので、新鮮に映る。サプライヤーもナイキなので、日本の横浜FCとはがちょっと違うなと思わせる。一つほしいなとさえ思う。
私がグラウンドに着いたときはちょうど試合が始まるところだった。キックオフが20時30分とかなり遅いが、明日は土曜日なので特に問題はないのかもしれない。日本でしかサッカーを見ていないとちょっと想像できないかもしれないが、海外では夜の20時、21時キックオフの試合は結構ある。
さて、試合開始。といっても私はこの世代についてレベルの善し悪しは全くわからない。プリンスリーグの試合を見る機会はしばしばあって、それと比較しても特に高いとも低いとも思わなかった。ただ、フィジカルコンタクトは結構あり、日本ならイエローカードだな、と思わせるような場面でもノーホイッスルで進行するのは驚いた。選手がにらみ合う場面もあったりして、この辺、日本のサッカーとは違うのかもしれない。日本のチームが韓国や中国に行くとラフファイトが問題になるけれど、フィジカルコンタクトの部分で認識の違いがあるのかもしれない。正直、高校サッカー選手権大会などを見ると、うまい下手以前に綺麗な試合という印象を持つことが多い。そういう環境でプロに上がり、国際試合を戦えば「あり得ない判定」に出くわすことも多いのではないか。
試合は終始橫濱FC香港がゲームを推し進め、2-0で勝った。やるじゃん。対戦相手の大埔のほうにミスが多かったせいもあるけれど、そつのない試合運びだったと思う。
試合が終わると観客席に挨拶に来る。観衆は50人程度。ほとんどが父兄と思われ、追っかけの観衆はいなかった。まあ当然と言えば当然か。試合が終わる頃から雨が降り出してきた。時間は22時を過ぎたあたり。さすがに疲れてきたので宿に戻ることにする。
グラウンドを出る頃には雨が強くなってきた。私は小走りに走って駅に戻った。これから1時間かけてホテルまで戻る。さて、これから何をしよう。普段だったら寝る時間だが、ここは夜の町、香港である。帰りの地下鉄の中で、いろいろと行き先を考えてみた。
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