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不手際

観戦記

2月22日
貴州とは何処にあるのか?
4月12日
まずは桂林へ
桂林の夜
4月13日
不手際
前ページからの続き
4月13日、午前5時起床。早いように思えるが、日本時間では午前6時なのでいつもの私の起床時間である。桂林の朝は遅く、あたりはまだ暗い。エアコンの効いた部屋の中でシャワーを浴びながら今日の日程を考える。今日は川下りをする予定である。

 午前7時の朝食開始と同時に食堂に降りる。私が1番のりであったが、食堂は朝食の準備が始まったばかりで、ちょっと待てとフロントスタッフが言う。中国語でしゃべっているが、何を言っているのかは大体わかる。海外旅行に行くときの心構えとして、日本の常識を海外に求めるな、というのがあるが、こういう時間の決まり事を守らないことを目のあたりにすると、海外に来たんだなあとつくづく感じる。


 食堂の中で、中国語でかかれたガイドブックを読みあさること30分、やっとスタッフが膳を持ってきてくれた。と同時にちょっと薄汚れた兄さんが、私を呼び止める。しきりに腕時計を指してなにやら叫んでいる。川下りツァーのお迎えなのだろう。それはいいのだが、集合は8時だ。飯ぐらいゆっくり食わせてくれと思う。私少しむかついたので、「パァディ!」(8点・・日本語で8時のこと)と叫び、朝食を食べた。

 朝食を食べ、部屋に戻って着替える。すると部屋のドアをドンドン!と叩く音がする。ドアを開けると件の兄さんが、早くしろ、と怒鳴る。仕方がないので手早く着替えてカメラを持って外に出た。ホステルの前にはこれまた汚いワンボックスカーが止まっていて、兄さんは「これに乗れ」と指さす。私が申し込んだのはセレブ外国人用のツァーのはずだったが、どちらかというと飯場直行用の送迎車に乗せられた感じである。そのときは、まあ船に乗れれば別にいいやと気にしていなかったのだが、今思うとここで間違いに気づくべきだった。


、兄さんは不機嫌そうに猛スピードで道路を突っ走る。大丈夫かこいつ?と思いながら助手席に座る。15分ほど走り、シェラトンホテルの前につくと兄さんは車を降り、いままさに出発しようとしているバスに乗り込んで運転手とゴチャゴチャ交渉し始めた。しばらくすると兄さんはバスを降り、車で待っている私を手招きして「これに乗れ」と言った。よくわからないのでそのまま乗り込んだ。バスはすぐに発車した。


 しばらくすると添乗員がツアー申込書の回収を始めた。みんな差し出す。私も差し出す。添乗員は私から回収した申込書を見ると難しい顔になり、私になにやら問いかけ始めた。しかし中国語なので何を言っているかわからない。添乗員は携帯電話でいろいろやりとりをし、再度私に問いかけ始める。しかし中国語なので何を言っているかわからない。添乗員はしびれを切らしたのか、他のツアー申込者に何か問いかける。一人が手を上げて私の横に座った。添乗員はその人に一言二言しゃべる。どうやら彼は通訳を買ってくれたらしい。添乗員の言葉を聞き終わると、彼は私に英語でこう言った。「You missed. 」。 私「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」。どうやら乗り間違えてしまったらしい。


 添乗員は携帯電話であちこち電話をかける。手間をかけさせてしまって申し訳ないと思うけれど、私だって貴重な休日の一日をツアーの間違いに巻き込まれてしまったのだ。このやるせなさはどうしようかと、何とも言えない気持ちになった。差額を払ってもいいからこちらのツアーに乗せ替えてくれないかなとかすかな期待もした。


 バスはしばらく走り、とあるホテルの前で止まった。添乗員は私に「ここで降りろ」言った。私はそれに従うしかなかった。件の通訳士は「あなたのホテルに迎えに来るよう連絡をしたよ。だから待っていなさい」と言った。バスは私を下ろすとすぐに走り去っていった。閑散としたホテルの前で私は呆然と立ち尽くすしかなかった。


 さてこれからどうしよう。とりあえず迎えを待つことにする。時間は午前10時。本来なら船に乗り込んでいるはずの時間である。日は燦々とさしている。私はひたすら迎えを待った。しかしいつまでたってもバスは来なかった。


 1時間ほど待っただろうか。私は意を決して、自力でホテルに帰ることにした。このホテルは大通りに面していて、路線バスはひっきりなしに通る。私はまず近くのバス停に向かった。バス停に着くとスマホを取り出してアプリで地図を呼び出し、GPS連携をさせて今いる場所を表示させる。するとホテルの南側、約8キロ程度の場所にいることがわかった。

 
 次にバス停に表示されている各路線バスの路線番号表を見る。路線番号表にはこの先の停車バス停が全て表示されている。そのバス停の中で、「●●病院前」とか、「博物館前」とかの表示を見つける。それが地図のどこにあたるのか、検索で表示させ、それが自分のホテルに近いかを見比べる。路線自体はいくつかあったが、その中の3つ程がホテルの近くを通過することがわかった。スマートホンの必要性は世間で議論になることが多いが、こういう異国の地で自分の居場所が即座にわかるというのは凄いことだと思う。スマートホンの登場で海外旅行の仕方は一変した。特にこのようなトラブルからのリカバリは抜群に便利である。


 スマホのGPSをONにしたままバスに乗り、ホテルまで徒歩圏に近づいたところでバスを降りた。バス代は1元(16円)。タクシーを使ってもたいした金額ではないだろうが、なにかこうこれ以上無駄な金を使いたくなかった。数百メートルほどテクテク歩いてホテルに戻った。


 ホテルに着くとすぐフロントに直行する。抗議するためだが、それ以前にホテルマンのほうが私を見つけて謝った。「Sorry」と何度も口にする。それを聞くとそれ以上何も言うことはなくなったので部屋に戻った。することはないが、どっと疲れたので一眠りする。まだ昼前だが、少し横になると気持ちは楽になった。。

 眠りから覚めると私はフロントに行き、翌日の部屋の追加予約と、明日のツアーの振り替えを依頼した。ホテルマンはいずれも快く引き受けてくれたが、ホテルのミスでホテルに追加予約をするのはおもしろくないものがあるのでダメ元で聞いてみる。国際ユースホステルなのでホテルマンは英語が通じた。


 「今回、あなたの手配ミスで私はこのホテルに追加宿泊することになった。本来、この宿泊は必要ないものである。この件についてはあなた方(ホテル)の責任だ。だからこの宿泊代は無料にしてほしい。」と。ホテルマンは言った。「言い分はわかるが私にそれを決める権限はない。申し訳ない」と。


まあ案の定の回答だが、中国人が「Sorry」を連発するのはよほどの事なのでこれ以上追求しないことにする。明日は貴州に向けて出発する予定だったが、旅行にトラブルはつきものなので、これ以上は考えないことにする。私は桂林の中心部に出て食事をとれるところを探した。表通りから何本か裏地に入ると食堂が沢山出ていた。蒸米の屋台がいくつかあったので、そこで食べる。ベースの蒸米にいくつかトッピングをして12元(200円)。頼んでから蒸籠で蒸し始めるので時間はかかったができあがったご飯はことの他うまかった。




 飯は食い終わったがまだ昼過ぎである。時間はありあまっているので桂林市内を散策する。岩山に昇ってみたり、浸食された海岸を歩いたりしてみる。予定されたイベントが取りやめになると本当にぽっかりと時間が空いてしまう。でも旅行とは本来「何もしない」をしにいくようなモノだと思う。であればそれはそれで良いのかもしれない。いろいろ歩き回り、飯を食い、お茶を飲み、マッサージを受けている内にその日は暮れていった。明日は桂林川下りに再挑戦である。
(続く)
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