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初日(2003年11月11日)
成田-モスクワ-マドリード

わかの観戦日記
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11月11日 
成田-モスクワ-マドリード

11月12日
レガネス 対 ヌマンシア

11月13日
ブラガ 対 ボアビスタ

11月14日
セルタ・ビーゴ 対 アヤックス

11月15日
ビーゴからアベイロへ

11月16日
ベンフィカ 対 モルデ

11月17日
ジルビセンテ 対
ベネレンセス

11月18日
スーペルリーガ2部

11月19日 第一試合
ヘタフェ 対 レバンテ

11月19日第二試合
アトレティコ・マドリード 対
 ビジャレアル
14時45分。アエロフロートロシア航空SU582便は「予想通り」90分遅れで成田空港を離陸した。まあ、これでも良くなったほうだろう。私が一人で海外に出るようになってから17年が経つが、この航空会社の最近までの評判は最悪の一言に尽きる。エンジンのうるさいイリューシンIL62型機。固定できないリクライニングシート。黒パンしか出てこない機内食。高圧的なスチュワーデス。そして頻繁に発生する事故。盗まれる手荷物。収容所といってもいいトランジットホテル。まさに最悪と言ってもいいのだが、ソ連崩壊後はかなりマシになったと聞いた。本当かどうか確かめてみたい。相変わらず劇的に安いし。土曜出発にもかかわらず、成田-マドリード往復5万3千円の魅力に負け、チケットを手配。初めて海外に出たときのあのドキドキ感を思い出し、いざ出発。
 実際のところはどうだったか。噂されたような酷さはなかった。出発遅延は日常的というのは事前につかんでおり、特に気にしていない。この日の成田は遅延が多く、日航もも遅れていた。飛行機はエアバスA310を予想していたが、実際はボーイングB767で、機内も清潔。もちろん最新型の777のように座席ひとつひとつにTVがついているような贅沢さは望めない。スチュワーデスの愛想もよく、年齢が推定50歳超なのを除けばまあ満足できる。機内食も普段のエコノミーそのもの。味も悪くない。外装も私が知っている旧塗装ではなく、ブリティッシュエアウェイズかと錯覚するような垢抜けたもの。この便はモスクワ経由でロンドンまで行くため日本人も多い。アエロフロート、いいじゃないか。私は満足して機内を過ごした。ただ、渡された搭乗券がモスクワまでしかないのが非常に気がかりであったが・・・・・。モスクワまでの時差は6時間。11時間のフライトである。私は時計の針を6時間戻して寝た。
 
 SU582は90分の遅れを取り戻す努力もせず、そのまんま90分の遅れで現地時間の19時ちょうど、モスクワ・シェレメチボ空港に到着。マドリード行きSU299便の出発まであと30分しかない。出口では「マドリー、マドリー」と大声で叫ぶ案内人につれていかれパスポートコントロールへ。ここで揉める。マドリーまでの搭乗券がない。私は渡されていないので当然持っていない。偉そうに睨みつける係員に対し、チケットを貰っていないこを強硬に主張する。係員は端末を叩き、発券履歴を調べて発券していないことを確認。チケットを渡された時は既に20分以上が経過しており出発時間はギリギリ。当然私が最後である。機内は満席で荷物入れはいっぱい。手持ちのバックパックを入れる場所はない。仕方がない。まず自分が座席に座り、大きく股を開いて股の間にバッグを挟みこんでその姿勢を維持する。
 

 マドリードに着くまで4時間、結構辛い。何よりこの姿勢だと対衝撃姿勢が取れない。この飛行機は大丈夫なのだろうか。マドリード行きの飛行機はイリューシンを期待したのだが実際はエアバスA319。知らない型番だ。エコノミーは3列+3列で、ボーイングB757とほぼ同じ。欧州内路線の標準ともいうべきものなのでこれでいいのだろう。私は真ん中の座席なので前後左右で身動きが取れない。地獄である。スペインはモスクワから2時間遅れ。私はさらに時計を戻す。

 モスクワを離陸して3時間半。飛行機は徐々に高度を落とす。路上の明かりが窓に飛び込んでくる。初めて見るスペインの夜景は高速道路の橙色灯だけ。それ以外は闇である。カスティーリャ地方は赤茶けた大地だからこういう景色となるのだろう。飛行機はさらに高度を落とし、いきなり大都会のビルに包まれて定刻22時15分、マドリード・バハラス空港に到着した。

 マドリードは夜は快晴。空気が乾いている。気温も低い。私はタクシーに乗り、予約してあるホテル名を告げ、急いだ。本当ならバスに乗ったほうがずっと安いのだがマドリードは治安が悪い。世界における日本人の犯罪被害の3割、ヨーロッパ内の7割がマドリードで発生している。マドリードまで20ユーロ。この程度ならタクシーの方が安い。

 20分ほどでホテル着。王宮の近くと言う恵まれた場所であるが深夜なので関係ない。繁華街の真ん中なので、怪しい外国人も結構いる。部屋はバス着きのダブルベッド。部屋は清潔で大きく、ピンクの内装が綺麗。日本円で1万円ちょうどだった。この先このクラスのホテルに泊まることはない。私はまずバスに入り、最初で最後の「高級」ホテルの感触を味わい寝た。明日から毎日がサッカー観戦の日々である。(翌日に続く→) 

 
 
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